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ピアノ用語集


  用語 説明
アイボライト ヤマハが開発した人工象牙。白鍵の表面に使用される。
硬さ手触りは天然象牙同等で、吸水性があるため、 汗を吸い取ってくれる。
天然象牙と比べると磨耗しにくい。
色はアクリペットの白鍵と比較するとわずかにアイボリー色。
ニューアイボリーの後継。
アクション 打弦機構のこと。
鍵盤の上下運動をハンマーの打弦運動に転換する役割をする。
演奏者の指の動きを弦に伝えるための複雑で精巧な装置。
  アグラフ 弦押さえの一種。
弦の位置や発音する部分(有効弦)の長さを正確に定めるとともに、 一つの音程ごとに独立した弦押さえができるので、音色が明快になり、和音が美しくなる。
  アクリペット プラスティックの一つで、白鍵の表面に使用される。
ほとんど磨耗せず変色しないため耐久力がある。
「アクリペット」は三菱レイヨンのメタクリル樹脂成形材料の登録商標。
  アップライトピアノ 縦型ピアノのこと。
グランドピアノでは弦が水平に張ってあるのに対して、垂直に張ってある。
スペースを取らないというメリットがあるため一般家庭で多く使われている。
  アリコート ハンマーに打たれない弦の一部に特殊な弦枕を敷くことによって共鳴させ、響きの少ない中高音部の倍音を増やす方式。
ブリュートナーのように、通常の弦の隣に、打撃を加えない共鳴のためだけの弦(アリコート弦)を張る場合もある。
  アンダーフェルト入りハンマー 普通のハンマーフェルトの下にもう一枚フェルトを巻いてあるハンマー。
フェルトの下にもう一枚フェルトを巻く事でハン マーの内部をより硬くすることができ、特に低音部では重量を持たせられるので、いっそう豊かな音量と響きが得られる。
  ウナコルダペダル 左側のペダル。
アップライトピアノではこのペダルを踏むとハンマー全体が弦に近づき、打弦距離が短くなって、音がソフトになる。
グランドピアノでは「シフトペダル」「ソフトペダル」とも呼ばれ、このペダルを踏み込むと、ア クション全体が右にスライドし、3本の弦を打っていたハンマーは2本の弦を、2本の弦を打っていたハンマーは1本の弦を打つ。
このときハンマーに打たれない弦は、打たれた弦の振動を受けて共鳴するが、振動の位相が逆になるため、互いに打ち消し合う形になり、音量だけでなく、音色も微妙 に変化させることができる。また、打弦位置をずらすため、ハンマーヘッドも普段打たない部分で打弦することになり、その微妙な硬度の違いからも、音色が 微妙に変化する。
  エックス支柱 1997年ごろまでヤマハで採用していた交叉状に張られた支柱。
支柱を交叉状にする事により、ねじれやたわみに対する強度が向上し、 響板をしっかり保持することにより、より美しい響きになる。
  オールアンダーフェルト入りハンマー ヤマハ製品で使われる用語で、低音から高音までのすべてのハンマーにアンダーフェルトを採用したハンマー。
響板 弦の振動を共鳴作用によって、大きく美しい音にするための板。
ピアノの心臓ともいわれる重要な部分で、表側には弦の振動を響板に伝える「駒」が、裏側には「響棒」が貼られている。
  響捧 響板の形状を保持するための木材。響板の木目と90度に取り付けてある。
  グランドピアノ 平形ピアノ。  地面と水平にフレームと弦を配し、弦は奏者の正面方向に張られている。
そのため、アップライトピアノと比較すると大型の楽器となるがサイズは多様で、奥行き150cm程度のものから200cmを超えるコンサート用まである。
  ミュージックワイヤーと呼ばれる特殊な鋼線で、低音域では質量を増すために銅線を巻きつけてある。
ハンマーが弦を打つと、弦が一定の周波数で振動し、振動が響板につたわり音が出る。
1音あたりの弦の数は音高により異なり、最低音域では1本、低音域では2本、中音域以上では3本張られる。
長さは、高音部が細く短く、低音部にいくにしたがって太く長くなる。
  弦の振動を響板に伝えるために、響板の表側に貼り込まれている部品。
低音弦のための短駒と、中音から高音を担当する長駒とがある。
  黒檀 黒鍵に使用される木材。非常に硬い木材で、表面の指触りがよく、弾き心地に優れている。
  黒檀調天然木 天然木に特殊加工を施したヤマハ独自の黒鍵素材。 優れた耐摩耗性と吸湿性を持ち、弾き心地に優れている。
サイレントピアノ 生の音を完全に消し、ヘッドフォンで聞きながら演奏できるピアノ。
消音バーでハンマーを弦の手前数ミリのところで止め、生音がでないようになる。
ヘッドフォンから聴こえる音はサンプリング音源(電子音)。
サイレント使用時以外は、普通の生ピアノとして演奏できる。
  サイレントアンサンブル ヤマハの機能で、自動演奏機能とサイレント機能の両方の機能が備わったもの。
現在のディスクラビアのもととなる機能。
  支柱 ピアノの背面にある柱。20トンにおよぶ弦張力を支えている。
  自動演奏機能 鍵盤を自動的に動かし、ピアノを演奏させる機能。 
録音された音ではなく、実際に鍵盤をうごかし、弦を叩いて自動的に演奏させる。
  弱音装置 ハンマーと弦の間にフェルト布をはさむ事で音を小さくする装置。
主にアップライトピアノに取り付けられている。
一般的にペダルが3本あるアップライトピアノでは、中央のペダルで弱音装置を操作するが、上級機種のアップライトでは、ハンドレバーで操作する機種もある。
  スローダウンシステム 鍵盤蓋が急に閉まることなく、ゆっくりと閉まる機構。カワイピアノでの呼び名。
  整音 音量・音色をはじめとするピアノの音全体のバランスを整える作業。 ハンマーの形状や硬さ、弾力などをこまかく調整する。
  整調 88鍵の打弦機構の動きを正常な状態に揃え、弾きやすいタッチにする作業。
1鍵につき十数か所(88鍵で1000を超える)の微調整部分があり、高い技術が必要な作業。
  セミアンダーフェルト入りハンマー ヤマハ製品で使われる用語で、特に重量感を持たせたい中低音部のみアンダーフェルトを採用したハンマー。
  総一本張り張弦方式 一般的にピアノの張弦は、巻線以外の弦はヒッチピンに掛けて2弦ずつ張弦されるのに対し、総一本張り張弦方式では、すべての弦を一本ずつヒッチピンに巻き、張弦する。
この方式を採用することにより、張弦時におきる弦のねじれと2音にまたがる張力の不均衡を阻止することができ、濁りのないクリアな音色となる。
  象牙 ピアノの白鍵の表面に使用される。
適度に吸湿性があって手になじみやすく、材質が硬すぎず・柔らか過ぎず、優れたタッチ感を持つ。
現在は、ワシントン条約により象牙鍵盤の取扱いは、制限されている。
  ソステヌートペダル 鍵盤を押したあとでこのペダルを踏むと、そのあと指を離しても余韻が残る。
ダンパーペダル(一番右のペダル)と似ているが、ダンパーペダルでは、 全部の音の余韻が残るのに対し、ソステヌートはその音だけに作用する。
  ソフトペダル 左側のペダル。
アップライトピアノではこのペダルを踏むとハンマー全体が弦に近づき、打弦距離が短くなって、音がソフトになる。
グランドピアノでは「シフトペダル」「ウナコルダペダル」とも呼ばれ、このペダルを踏み込むと、ア クション全体が右にスライドし、3本の弦を打っていたハンマーは2本の弦を、2本の弦を打っていたハンマーは1本の弦を打つ。
このときハンマーに打たれない弦は、打たれた弦の振動を受けて共鳴するが、振動の位相が逆になるため、互いに打ち消し合う形になり、音量だけでなく、音色も微妙 に変化させることができる。
また、打弦位置をずらすため、ハンマーヘッドも普段打たない部分で打弦することになり、その微妙な硬度の違いからも、音色が 微妙に変化する。
  ソフトフォールシステム 鍵盤蓋が急に閉まることなく、ゆっくりと閉まる機構。カワイピアノでの呼び名。
  ソフトランディング機構 鍵盤蓋が急に閉まることなく、ゆっくりと閉まる機構。ヤマハピアノでの呼び名。
ダイナミックレンジ ピアノの出せる最も大きな音と、最も小さな音の間の幅のこと。
この幅が大きいほど表現力が豊かといえる。
  ダンパー アクション機構の一部で、弦の振動を押さえて、音を止める働きをする。
鍵盤を指が押し下げている間は、ダンパーは弦から離れていて弦は自由に振動するが、鍵盤から指が離れるとダンパーが弦と接触し、音を止める。
  ダンパーペダル 右側のペダル。
このペダルを踏むとダンパーが一斉に弦から離れ、鍵盤から指を離してもダンパーは戻らず、弦は長く振動を続ける。これにより、音を持続させて次の音を弾くことができる。
  チューニングピン 弦の一端が巻き付けられているピン。
これを回すことで弦の張り具合を調整する。
弦のもう一端は、ヒッチピンで固定されている。
  調律 弦の張力を加減・調整し、音楽的に正しい音階を作る作業。
ピアノには230本ほどの弦が張られ、約20トンの張力がかかっており、また、打弦によっても張力は低下するので、定期的な調律が必要。
  トーンエスケープ アップライトピアノの上前板や下前板に音の流れ出る空間を設け、弾いた音が直接耳に届くようにする機構。
ニューアイボリー ヤマハが開発した人工象牙。白鍵の表面に使用される。
硬さ手触りは天然象牙同等で、吸水性があるため、 汗を吸い取ってくれる。
天然象牙と比べると磨耗しにくい。
色はアクリペットの白鍵と比較するとわずかにアイボリー色。
ハンマー 弦を打って音を出すための槌のような形をした部品。
鍵盤を叩いた指の動きはアクションによってハンマーに伝えられ、 ハンマーが弦を叩くことで弦振動を起こさせて、ピアノの音を生み出す。
ハンマーの頭部は、上質のフェルトを硬く巻き付けてつくられている。
  ヒッチピン 弦の一端はチューニングピンに固定されており、もう一端がこのヒッチピンという金属ピンで固定される。
一般的に、ヒッチピン1本を折り返すことで、1本の弦を2本のように張弦するが、ヒッチピン1本に対し弦1本で張るピアノもある。(総一本張り張弦方式)
  ファイリング 整音作業の一部で、ハンマーの表面をヤスリがけする作業。
弾きこまれたピアノのハンマーフェルトの表面は、何度も弦を打つことで潰れ、深い溝ができ硬くなっているが、 ファイリングをする事でハンマー表面を理想的な状態に戻すことができる。
  ファインアイボリー カワイが開発した人工象牙。 白鍵の表面に使用される。
吸水性に優れ、天然象牙に近い感触。 色はアクリルの白鍵と比較するとわずかにアイボリー色。
  ファインエボニー カワイが開発した人工黒檀。黒鍵に使用される。
ファインアイボリーと同素材で吸水性に優れている。
  フェノール プラスティックの一つで、黒鍵の表面に使用される。
ほとんど磨耗せず変色しないため耐久力がある。
  フレーム 全体で20トン以上にも及ぶ弦の張力を、支柱と一体となって支える鋳鉄製の構造物。
その堅牢さと精度はピアノの耐久性と音質に大きく影響する。

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